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西光寺

 

    

無量山西光寺という。浄土宗である。

境内に慶長19年銘の奥羽式板碑があり、藤田九郎右衛門の芦野家乗っ取りの陰謀が画策された場所である。藤田陰謀事件は、交代寄合旗本初代の政泰が慶長16年(1611)に死去し、幼少にして家督を継いだ資泰の時と思われる。ことは事前に当主の知るところとなり、藤田は京阪方面へ逃走した。大塩角左衛門がこれを追い求め、伊勢の津で討ち果たしたといわれている。この大塩角左衛門を顕彰した碑文は、健武山湯泉神社境内に建つ。

芦野家家臣や町年寄など旧家の墓も多い。簗瀬、加藤、本陣の臼井、鏑木、青木、今平、相馬などである。戊辰戦争に新政府軍として参戦した忍藩士柘植善大夫宗英の墓(官修墳墓)がある。国道を挟んで西側に八幡社を祀る。

この社は、那須余一宗隆の三兄幹隆が伊王野芋渕に分知された時、源平合戦からの無事帰国を感謝して勧請したと伝えられているもので、時代の変遷とともに崇拝する人々の姿がなくなり、朽ち果てるままとなっていたものを、20代資親が芦野へ遷座したと那須旧事探は記録する。移築当時はこの地ではなく、横町の町営団地の近くにあったものを境内に遷し、また、国道294号の路線開設によって現地へ遷したものである。

安政4年(1857)、川原町から出火した火の粉により、本堂をはじめ諸堂が焼失し、その再興に関する内容が、類焼後諸記録日鑑に詳細に記録されている。国道294号バイパスの通過に伴い、建て替えられるまでの130年余は当時再建されたものであった。

明治になり、亮道館の分館が一時置かれ、教練所となった時期があった。

所在地
〒329-3443 栃木県那須郡那須町芦野1913
交通アクセス

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