浮浪徒十四人墓
奥州道中は、黒川を渡り対岸へ進む。江戸時代には、この黒川を境に黒羽藩領と芦野知行所に分かれる。黒川に架かる橋も水害の影響から、新たなものへと代わっている。橋を渡って左折すると、芦野温泉である。この途中に簗場平(やなばだいら)と呼ばれる地がある。
ここに元治元年(1864)10月19日、芦野家によって処刑された天狗党田中愿蔵組の残党14人の供養碑が建っている。14人はいずれも芦野領内で捕らえられたもので、幕府へ処分を伺った上で、簗場で斬首された。これを供養するために建てられたのが「浮浪徒十四人墓」である。
この碑の台座右側に「明治九年十月十三回忌建之」とあり、左側には「明治十九年十月十九日二十三回忌供養」とある。地元芦野の高藤元譲が発起人となっている。
「聲(こえ)きかば尋(たず)ね来(き)て見(み)よ時鳥(ほととぎす) 君(きみ)を思(おも)ふて鳴(な)かぬ日(ひ)はなし」
天狗党田中愿蔵組隊長峯岸内記の辞世の句である。14番目に斬首されたという。
- 所在地
- 〒329-3443 栃木県那須郡那須町芦野
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